遠い過去 モノクロの空 風は薙いでいた
草原に少女 麦わら帽子押さえて 口笛吹いていた
懐かしい音色 思い出せないメロディー
雨のスラム街 せまい空のもと 脚をくじいて倒れていた
剥き出しの鉄筋 細長い通路 背後から迫る影・・・
思い出そうとすればするほど 頭痛がする あの日はいつ?
悲しい声が聞こえる 胸に響くそれはどこからか なぜか分からないけど 涙が出るんだ
歌えないよ その口笛のメロディー 喉に詰まって 声にならない 苦しくて悲しくて 大好きだったはずのその歌は―――
「パパはどこ? ママはどこ? みんなどこにいったの? ねぇ教えてよ!」
「君だけが生き残った。 ここにいればしばらくは安全だ。 両親の分までたくましく生きるんだよ?」
逃げて・・・!
立ち上がり必死に走った 脚を引きずって 黒い銃が狙っている 生き延びて・・・逃げるの!
砕けるコンクリート 風を切るスピードで弾が放たれる 怒号の木霊に躓きながらも
どこまでも走れ少女よ いつか草原を駆けたあの日のように
どこまでも突き進め少女よ 両親の形見のハーモニカ ブローチ握り締めて 走れ――!!
懐かしい音色 思い出せないメロディー 思い出せそうなメロディー・・・
どこまでも走れ少女よ いつか草原を駆けたあの日のように
どこまでも突き進め少女よ 両親の形見のハーモニカ ブローチ握り締めて 走れ――!!
その先に見える光へ 抜けた先に広がるのは あの草原・・・
目を覆う過去 モノクロの空 風は薙いでいた
草原に少女 麦わら帽子押さえて 口笛吹いていた
男の人と女の人が 歩いてくる・・・ 振り向いた少女 口笛吹いて笑顔で・・・
少女の口笛に合わせて歌う 二人は とても楽しそうにニッコリ笑いながら 少女の頭に花飾り被せて抱き寄せた
・・・危ない!
突然倒れた二人 少女には 何が起こったのか分からなかった ただその音ははっきりと聞こえた―――
血みどろの過去 有色の空 風は凪いでいた
草原に少女 二人の背中揺すって 歌を歌っていた
思い出したメロディー 夕暮れの調べ
あの少女は私だった
パパ ママ 私生きるからね どんなに辛いことがあっても だから 楽しいはずの悲しいこの歌を歌っても 良いでしょう?
ここで起きた惨劇は 少女に永遠の傷として はなむけの花 両親が好きだった花 一輪摘んで 空に投げて 天国まで風に乗って 届くことを祈って―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――― 3日要した大作。今まで描いたなかで一番長いかもしれません。 久しぶりに良いものが描けたのではないか。 これからさらに、言葉選びには気を使おうと思います。
この詩を気に入ってくれた方、今後とも深緑を宜しくお願いします。
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